優しいだけなわけねーだろーが。
先日、美容専門学校へ就職説明会に行って参りました。
◇ あれれ?もう新卒生採用しない方針だったのでは??
話を聞きにきてくださった学生さんたちにも率直にお話したのですが、正直今回学校からいただいたオファーも最後まで辞退申し上げるべきか、実はとても悩みました。
そもそも私が新卒生の採用に積極的にならない理由
美容師としてのキャリアをスタートさせるサロンとして、私のサロンの規模感は適正か?
アシスタント不在、少人数体制で顧客様重視のサロンワークを行っているサロンとこれから発展していくいろんな可能性と時間を持った若者との間にはミスマッチが生じるケースが多い。
現場での技術指導者にあたる私との年齢差さすがにダブルスコア。
もう少し多(他)方面からアドバイスを受けられる環境であればまだいいのですが、イチエの現状を考えると新卒生には少し負担が大きくなる可能性が高い。
ご存知の方も多いかと思いますが、アシスタントであれ、中途スタイリストであれ、ほぼ1年以内に退店していくことで有名な弊店(何の自慢にもなりませんが。
正直、今時、、、じゃないくらい、優しさと厳しさのコントラストがはっきりしているサロンです。
◇ 優しいところ
、、、というのはおこがましいですが。。。
福利厚生等、待遇面についてはおおよそ平均的(ここ数年賞与が出せてあげれていないのが玉に瑕
有給休暇も(入社半年以降ですが)積極的に取得奨励しています。
よく尋ねられるのですが、、、練習も強制はしません(合同練習会のようなものも、全員が満場一致しない限り行いません)から、帰りたかったら最速17時過ぎには帰宅の途につくことも可能です。
代表である私がお酒を飲めないこともあって、無理やり飲みに連れていかれるようなアクシデントも起きません(連れて行って欲しいーーーのリクエストはもちろんいつでも大歓迎です)。
そしてなにより、、、顧客様が本当に心の温かい方が多い(これは一番の自慢。ほんと、表面的にはなんて働きやすいサロンなんだといった趣。
◇ 厳しいところ
一方で、
「アシスタントであっても、美容師免許の交付を受けているものは、自立したプロである。」
このあたりを大前提にしている点。弊店の厳しさはそういうところだと思っています。
できないのならできる範囲でやればいいよ〜〜〜
なんてことは、絶対言いません。
できないのなら、できるようになってください。
できるまで努力をしてください。
できるようになる気持ちがないのなら。
潔く。お帰りください。
◇ 専門職で生きていくということ
現役美容師も、これからを目指している学生もおおむね、この美容師という仕事をイヤイヤ選んで「やらされている」人は少数派だと思います(家業継承の事情などをのぞけば)。
むしろ自分が自分から望んで専門職で生きていくということ。
好きなこと、楽しいこと「だけ」をやっていればいつの間にか成立していくお仕事のように映ることがあるのかもしれませんが、まったくもって、誤解です。
「だけ」で生きていきたいというのであれば、
「だけ」で生きていかせていただくことへの深い感謝と覚悟が必要だと、私は考えています。
美容師新卒生の1年離職は50%だのなんだの言われています。
とかく最近はこちら(運営)サイドに矛先が向けられがちですが、
専門職で生きていく覚悟の決まっていない若者たちの淘汰という側面があることを
理解して欲しいところもあります(道を誤ったのなら、修正は1日も早い方がいい)。
夜も明けきらないうちから、日がとっぷり暮れるまで全寮で高校3年間を過ごして全国大会に出場。
たとえ優勝したとしても、就くことができない職業がプロ野球選手です。
たった1度。30秒与えられた機会でパフォーマンスを発揮できなくてランウェイを歩けないのが、
ファッションモデルです。
みんな仲良く手をつないで美容師になれると思う方が、不自然ではないでしょうか。
◇ それでも、美容師は、いい。
私は大学を卒業してからこの道を選びました。
いわゆる変なやつ、異端児です。
美容師という仕事に華やかさも感じていましたし、ばっちり誤解もしていましたが、
割と早い段階から「やっぱりそうだよな。」
確信を持っていたことがあります。
それは、この仕事に「運」やら「才能」、「カリスマ性」は関係ない。
努力をすれば、努力さえすれば、叶う。
「わたしの手は嘘をつかない。」
専門職の中でも、そういう種類の仕事だっていうこと。
思い通りのヘアスタイルが実現した時にお届けできる喜びは、万人万国共通。
だとすれば。
たとえ、先輩からこっぴどーーーく叱られた日でも。
「またやっちまったぁーーー。」同じ検定を何回、不合格しても。
大丈夫。おれも、努力すれば叶う。いつかはできるようになる。
「手は、嘘をつかない。」
努力しても、X JAPANにはなれないけど、美容師にはなれる! だーーーー!!!!!
そんな美容師アオハル時代でした。
美容師を志してこの春から新生活をスタートした方も、これからのを見据える学生さんたちも、
良き縁に恵まれることを願っています。
もし、「うわーーこういうタイプまじうっとうしいわーーー」とか思わず、
目をキラキラさせながら読んでくださる方あったら、
もしよかったら、会いに来てもらえたらうれしいです。
美味しいお酒(呑めない、もとい、ご飯でも食べながらワクワクする話、一緒にしましょう。
でわでわ。
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