言葉にすること、しないこと。
「一応、俺たちの場合、けじめはつけなきゃなんねーだろっていうんで【解散】っちゅーことなんだけども、そんなん、バンドなんつーのは会社じゃねーんだし、またほとぼり覚めた頃でもいいしなんでもいいけど、また楽器持ってきて一緒にじゃーんっつって音出しゃあ始まることになるのかもしんないし、また始めたいなら始めりゃいいわけだし。」
ウンヌンカンヌン。
毎々、影響力のあるバンドやグループのそんな話が話題に上るたび、20年ばかし前の彼の、そんな趣旨の発言を思い出すことがあります。
ご本人もまたご自身のことを、(音楽やらバンドやらに)寄りかかる側のタイプと認めていた分、やはりかなり強めの依存度寄せて応援していた側の私たちに、どんな可能性も否定しない、とても配慮の深い発言してくれていたのだと思います。
とはいえ、当時のわたくし、齢二十歳にも満たない、青二才。
「そうは言っても、解散は解散。もう5人揃ってのステージは見れない。」
「黒」って伝えられたものが、「白じゃなくなっちゃったこと」ばかりにこだわって、彼の発言のなかに含まれていた優しさをちゃんと受け取れる器がなかったのを覚えています。
◇ ステージに立つバンドと、サロンはどこか似てる気がする。
「自分を表現する場所、目の前にお客様がいる」という意味で、両者に感じる共通点。
言葉にしたいこと。したほうがいいこと。する必要があること。しなきゃいけないこと。
言葉にしたくないこと。しないでおいたほうがいいこと。する必要がないこと。しなきゃいけないというまではないこと。
つどつど、細やかなジャッジをメンバーに配慮し、お客様に配慮し、重ねながら織り成し織り成し表現として伝えていく。
黒は、確かに白じゃあないけれども、シルバーてあるなら、時と場合によっては、白っぽいにしてよし、だったり。
白じゃなくなることに責任持つ必要がないのなら、黒だってことを表現する必要も、実はそもそもなかったり。
◇ そしてなにより、誰より、実は、お見通し。
「お客様は、神様です。」
いろんないわれがある言葉ですが、こういう点にこそ向けられる眼差し(愛差し)にこそ、お客様の神様たる所以があるように思います。
ステージからだけでは、違う、、わたしの場合はサロンワークの中だけではお伝えしきれない「行間」を埋めたいと思って表現することがまた新たな行間を生んでいくばかり。
もどかしい気持ちになることもたくさんあります。
それでも、「埋めようとしているんだな。」を理解しようとしてくださるお客様があるということ。
「白じゃないんならいいやーい。」なあの時のガキンチョとは違う、お客様からの温かい厚意。
今風?にいうなら、
「まじ、神かよ。」
場所を違えて、違う視点から眺めてみて得られる気づきって、あるもんなんですよね。
ささ、今日も寒そうですが、
アンテナ立てていってきまーす。
あでぃおーす。
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